「さあ、行くわよ。仕方ないじゃない、救護キャンプが危ないってなら力の限りを尽くさなきゃ。
他の戦場のなんだか、騒がしいし……まだまだ油断ならないでしょうけど、しっかりしなきゃ!」
「ローレットの拠点を狙うなんて狡い人!
ユリーカちゃんが無事でよかった……! こんなところでお友達を亡くすなんて嫌だもの……!」
「は、はい……とっても吃驚したのですよ……。
拠点で情報収集をしていた所、ある区画での作戦行動がうまくいってるみたいなのです。イレギュラーズの勇気が証明されたのです!」
「勇気というのは実にいい言葉でせうね。騎士と骸――この国においてはナンセンスな組み合わせなのです。
けれど、神の望みを遂行するのではなく個人的な憂さ晴らしであったというならばやりやすい事この上ないのです」
「ええ、ええ、良い知らせが多くてとても嬉しいのだわ。騎士団すら苦戦する相手だったんだもの。
……まだ、それでもまだ、大元は断たれてはいないのだわ。
――ベアトリーチェ・レ・ラーテ……。皆、どうか、どうか、ご無事で……!」
「郷愁、なんて言葉が似あうカクテルはあるのかしら? スピリタスなんかより、もっともっと、強いアルコールに溺れてる気分だわぁ!
……この国は魔種になんかあげない。
さあ、咲いて――エンピレオの薔薇」