大きな扉が開いた。
冬至を目指して日に日に傾き続ける陽がにわかに差し込み、澄んだ風とおかしな魔女を連れてくる。
「そうスパークリングピンキー、あなた達聞いて頂戴」
テーブルに片手をついた『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)は、早速イレギュラーズにそう切り出した。
ギルドローレットは連日舞い込む大量の依頼――その多くが海洋王国の物である――に、大わらわの様相である。
海洋王国としても実に二十二年ぶりとなる大号令に湧いていた。
プルーの頼みもおそらく――
「パライバブルー……モスカ領からシャインレッドな依頼よ」
――なるほど予想通りであった。
海洋王国大号令は『絶望の青』と呼ばれる海域へ挑み、未知の海(ネオ・フロンティア)を目指す国家プロジェクトである。
それは国力弱小なる海洋王国にとって、官民を問わぬ悲願であった。
モスカ領は絶望の青と隣接しており、船団が集結する出発地点となるのだろう。
そのためモスカの海域は、これから常に安全を保つ必要があると言う訳だ。
大型の依頼内容とは、海上の魔物討伐であった。広大な海域で片っ端からである。
そうと決まればローレットの動きは単純明快だ。
「いつも通りのパーフェクトリーグリーンを望むわ」
イレギュラーズは現地に赴き、作戦に従事すれば良いのである。
詳細は現地で聞ける筈だ。
善は急げ。
限定クエスト『子午線のざくろ』が発生しました。