「……………」
「……嫁さん、助からなかったよ」
「……………」
「毎日毎日嫌な話ばっかりだ。誰が死んだ、誰が殺された、傷付けられた」
「……………」
「今度はお茶会に、耳泥棒……
挙句の果てにはヘンゼルとグレーテルだってよ。笑えるぜ……」
「……………」
「なあ」
「……………」
「どうしてこんな事になっちまったんだろうな」
「……………」
「嫁さんが死んで、親友も亡くして……」
「……………」
「……サーカス。……サーカス、サーカス、サーカス!
一体あんなもんなの何が楽しいんだ!? ええ!?」
「……………」
「間違ってる。狂ってる。間違ってる。狂ってる。
おかしい。おかしい。許されない。こんなの変だ。
不吉? 不幸? 冗談じゃねえ! こんなもん全部――何もかも――」
――殺してやる。
「何だ、何するんだ、お前!?」
「きゃあああああああああ――ッ!?」
「だ、誰か衛兵を――」
「――死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね! 全部死ね!」