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<一件落着>

 一連の蠍事件の――或る意味での決算。魔種との戦いは熾烈を極めた。
 イレギュラーズの活躍を以て、アルダハ遺跡に落ち延びた蠍残党は駆逐された。
 戦いの事等知らぬ、存ぜぬ。まるで何事もなかった様に、砂漠には冬の日差しが降り注いでいた。
 戦場は別れが伴う。しかし、残ったのは悲しみだけではない、心の救済がそこにはあった筈。
 イレギュラーズは一抹の寂寥と誇りを胸に――アルダハ遺跡を後にする。
「よう! イレギュラーズ。ご苦労さん。まぁ、俺様程じゃないが、お前等もやるじゃねぇか!」
 やがて辿り着いたラサでは、ハウザー達がイレギュラーズを労うだろう。
 疲れた体に曖昧な笑みを貼り付け――まぁ、まずは、『癒やし』を一杯。
 祝杯をあげようではないか。
 イレギュラーズは間違いなく、そう。間違いなくやり遂げたのだから。
 次の冒険へと繋がる一歩を、絡みつく蛇のような運命を断ち切る一打を。
「乾杯!」
 どうせ嫌だと言っても付き合わせる連中に決まっている。
 何より連中の顔が「話を聞かせろ」と物語っているではないか。
 嗚呼、嗚呼。それならば――毒を喰らわば皿までだ。
 お釣りが来る程に、どれだけ大変だったか聞かせてやろう。精々、傭兵も感謝したまえ。
 今日ばかりは一休み、きっとこんな時間も悪くはなかろう。

※新生砂蠍の残党が壊滅し、ラサで小さな祝勝会が行われたようです。


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