果ての迷宮と呼ばれた幻想(レガド・イルシオン)の国家的大事業たる『迷宮踏破』の夢。
それも10層に差し掛かり、ボスフロアを攻略した先に存在した『枝葉』――それこそが『迷宮図書館(ホライゾン・ライブラリ)』であった。
それは混沌世界のあわい。世界の狭間と呼ぶに相応しい場所だ。
『枝葉』はどうやら、混沌世界に非ず、混沌世界が『肯定』しなかった一種の特異点であった。
特異点たる図書館はその名の通り無数の本が所狭しと並んでいる。その本の一冊一冊が一つの世界であると紹介した境界の案内人たちは口を揃えていった。
――境界深度を高めていこう――
それは、特異運命座標達がどれだけ『異世界』を冒険したかの指標になるのだそうだ。
物語(せかい)を識ることにより、混沌世界は新たな『可能性』を肯定する。
例えば、精霊種と呼ばれる種が産まれた様に。
例えば、秘宝種と呼ばれる種が世界に肯定された様に。
境界深度さえ高まれば、この世界に『異世界』へと『新たな可能性』を齎す可能性があるのだ。
だからこそ、クレカもポルックスもカストルも、特異運命座標に期待している。
この『図書館』の事、クレカや双子の世界の事、新たな物語(せかい)の事――
本(ライブノベル)は只の物語ではない。その一つ一つが世界であり、その一つ一つに『確かな足跡』を残せるのだから。
※ライブノベルのドロップが専用のものになりました!