「そうタンジェリン。準備は出来てる?」
いや、なんのだ。やぶからぼうに告げた『⾊彩の魔⼥』プルー・ビビットカラー(p3n000004)の⾔葉は、いつもの通り晦渋を極めるものだった。
「秋と⾔えば、⾊々あるものよ」
ああ、そういえばもう、そんな季節か。
妖精達の故郷を救った夏の決戦が終わり、カムイグラでは⾵雲急を告げる事態に悩まされているが、巡る季節は朝晩に涼やかな時間を届けていた。
天義東部の都市アドラステイアの調査が始まり、ラサでは⼤規模なトレジャーハントの依頼が舞い込み始めている。聞けば練達の希望ヶ浜学園では学園祭の準備が進んでいるらしい。
――⽂化の秋、読書の秋、運動の秋、そして⾷欲の秋。
秋と⾔えば様々な催しや収穫等が楽しめる季節でもある。
暑くもなく、寒くもなく。過ごしやすいのも嬉しいことだ。
ここ幻想では、⽊々が⾊づく季節はまだまだであるが。やがて来る冬に備えて、⼀呼吸おくのも悪くないかもしれない。
「そこで、よ」
おっ。⾒透かしたようなプルーの⾔葉に、イレギュラーズが視線を上げる。
彼⼥が差し出した⽺⽪紙に書かれているのはAutumn foodという企画の案内であった。
毎年、この季節にはこうした催し物が開かれるが、今年はフードというからには、⾷べ物だろう。
「たまにはペイルローシェンナに、楽しんでくるといいわ」
カムイグラでは⽢いシロップ。
海洋では新鮮な⿂介をたっぷりと。お酒なんかもいい。
キノコとピザは、ちょっとした運動も兼ねて。
こちらへ来た妖精達と⼀緒に、⼭菜やジビエを⾃分で調理するのも楽しいだろう。
学園祭の準備が進む学園では、なにやらお菓⼦があばれていて!?
それからやはり、⾷欲といえば⾁! ⾁は⽋かせない。⾁だ!
あとは――
――中継のテレジアリポーターと繋がっております。テレジアさーん!
『ビール祭りですわ!!!』
って。おい。
*秋イベントAutumn foodが始まります!
*ラサ:ラサで⾊宝(ファルグメント)なるアイテムが発⾒されたようです!
*カムイグラ:巫⼥姫⼀派が⼤規模な⾏動を開始しました!