無辜なる混沌の東部に位置する大国です。
神と呼ぶべき世界の意思、高位存在、聖なるかなをとても尊ぶ宗教国家です。
無辜なる混沌における信仰は、人間(的生物)の勢力圏にあっては余り明確な偶像化はされていません。神託の少女なる存在が自然に受け入れられている世界なので、神様(ないしはそれに類するもの)は明確に存在すると信じられています。
天義は全ての国家勢力の中で最も信仰に厳格であり、最も信仰を重要視しています。
正義と理想を公に掲げる原理主義国家。人間種が九割方を占めています。混沌において鉄と並ぶ軍事大国ですが、その行動論理は非常に独特なものを持っています。
彼等の正義は良く言えば理想に根差してますが、悪く言えば常に非常に独善的で、閉塞的でもあります。
その為、南に政情不安定な幻想あらば白銀の剣をもって民を解放せんとし、西に侵略国家たる鉄あらばこれを悪と断罪し……と、扱い難さたるや混沌一なのは間違いありません。『神』への信仰も非常に強く、義で神に唾吐くような言動を取れば、無事で済むかは怪しいもの。
場を非常に混沌とさせる存在であり、幻想・鉄間の情勢を一段と難しいものにしていますが、貧弱な幻想にも幻想攻略を目論む鉄にも精強な義を構う余力は薄いようです。
本拠は聖都フォン・ルーベルグ。魔種を特に不倶戴天の敵と定め、積極的な討伐を行っています。
但し彼等の断罪は多くの場合、彼等の基準と彼等の断定に根差して行われるので相手が魔種であるかどうかは定かではありません。
天義は正義の代行者を自認し、神の意思を遂行する使徒であると自称しています。些細な悪……例えば必要にかられての小さな嘘や、善意の不正、信仰を持たない人間、自身の正義に迎合しない価値観の異なる人間等、彼等にとっては全て『赦されざる悪』なのです。
その国家性から国民の多くもその偏った価値観を共有していますが、多くのシーンで見られるやり過ぎには疑問を覚える者も居ます。しかし、天義において『正義』に疑問を覚える事、疑問を口にする事はそれ自体が『悪』なので、やはりタダでは済みません。
天義きっての穏健派であり、名門貴族であったコンフィズリー家が『不正義』により没落したのは人々の記憶に新しい所です。
結果的にお互いがお互いを監視し合う宗教的ディストピアが醸造されています。まぁ、多くの国民はそれでも満足なのですが。
現国王はシェアキム・ロッド・フォン・フェネスト六世。国王の信任厚い『峻厳たる白の大壁』聖騎士団長レオパル・ド・ティゲールは傍迷惑な事に『相手の嘘に必ず気付く』という例外的に強力なギフトを有しており、傍迷惑さに拍車をかけています。
彼等は国内外問わずこの断罪活動を行う事例が多数あるので各勢力にとっては悩みの種になる事が多いようです。
天義でプレイヤーキャラクターが活動する場合、魔種との積極的な対決や悪人の断罪(但し国外活動の場合許可は無いので上手くやる必要がある)等が多くなる事でしょう。誰かの冤罪回避や正しい意味での正義遂行を期待したいならば、それ相応の立ち回りが必要になる事も。
https://rev1.reversion.jp/backborn#
信仰に厚く、真っ直ぐな神の教国。自身を正義の使徒とする聖なる軍事大国。国や社会、統治者から国民に到るまで潔癖症な人物が多く、不正義や悪を大層嫌っている。特に魔種は不倶戴天の天敵と定めている為、サーカス事件で魔種を討ち果たしたローレットを高く評価しており、神託の戦士と厚遇している。騎士団長レオパルをはじめとした要人もローレットへの信頼を強めているように思われる。
出典元:これまでのおはなし。世界情勢変動。天義(聖教国ネメシス)より抜粋。
https://rev1.reversion.jp/page/story
――魂とは命のランタンに乗り、冥府にて天秤の裁きを受けるべく運ばれていく――
出典元:シナリオ『Detective eyes』より抜粋。
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/1734
天義首都フォン・ルーベルグで発生した黄泉返り事件は最早隠せぬ位の公然の事実となっていた。
親しい誰かが在りし日の姿のままで、自身の元に戻ってくるという『禁忌』は模範的な生活を勤勉に送ってきたフォン・ルーベルグ市民にとっても否定し難い喜びであり、これを咎める立場にある中央の意識との乖離は強くなっていた。
民心の乱れに苦慮するネメシス指導部ではあったが、相手が中央の権力基盤を支えるフォン・ルーベルグの市民、それも民心なる形なき対象が敵とあっては動くに動けない状況が続いていた。
しかし、その短い、不本意な硬直状態も突然の終わりを迎えようとしていた。
時同じく、フォン・ルーベルグ全体を襲う狂気の影、魔種の気配。隠れる事をやめたそれは醸す邪悪さは恐ろしい程のスピードでフォン・ルーベルグ全体を包み込んでいく。
それはかつてイレギュラーズが経験したサーカスの事件に酷く似ていた……。
・用語解説
『月光人形』
死者が在りし日の姿で出現したものです。
本人の記憶は曖昧で、生前のままというよりやや無機質に記憶をなぞっているように感じられます。
個体によりますがそれなりの戦闘能力を有し、今回の個体は本人の意志にかかわらず攻撃に対する抵抗を行なうとみられています。
また『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』の感染源でもあります。
・『煉獄篇第五冠強欲』ベアトリーチェ・ラ・レーテ
七罪と呼ばれる原初の大魔種の一人で『強欲』を司ります。
葬送を思わせる黒衣の女。ネクロマンサー的な能力を使いますが、月光人形は厳密な死者操作ではありません。
似た代物を作ったゴーレム作成に近い能力のようです。
出典元:『クレール・ドゥ・リュヌ』特設ページ。
https://rev1.reversion.jp/page/ClairdoLune
天義で起こった死者が在りし日の姿で出現する事件。
黄泉返った者たちの正体は、『月光人形』でした。
聖騎士シリウス・アークライトが王政執務官エルベルト・アブレウの不正を知り、告発を目論む。計画を知ったアブレウ派にシリウスは暗殺されかかるものの、イェルハルド・コンフィズリーにより逃がされる。イェハルド・コンフィズリー、彼は全ての責任を自分が負うことでシリウスとアークライト家を守り、裁判にて「不正義」とされ、処刑された。
この一連の事件には、「かの名門の不正義を克明に記録した裁判記録」が残され、『コンフィズリー家の不正義』という名で天義の人々に知られている。
キャラクター名 | 役職等 | 説明 |
シェアキム・ロッド・フォン・フェネスト六世 | 国王/法王 | レオパルを厚く信頼している。 |
レオパル・ド・ティゲール | 聖騎士団長 | 「対象の嘘を見抜く」強力なギフトを持つ。シリウスの後輩だった。 |
リゲル・アークライト | PC | 『白銀の騎士』。天義において多くの活躍実績等の理由から将来を期待されている青年。シリウスの息子。 |
シリウス・アークライト | 魔種 | (PC)リゲル・アークライトの父。聖騎士であり、アブレウの不正を知り告発を目論む。計画を知ったアブレウ派に暗殺されかかるものの、イェルハルド・コンフィズリーにより逃がされる。彼が不正義とされたこと(コンフィズリー家の不正義)により「強欲」の呼び声に応え反転。 |
イェルハルド・コンフィズリー | 黄泉返り | (NPC)リンツァトルテ・コンフィズリーの父。アブレウを告発しようと目論むシリウスの計画には乗らなかったものの、窮地の彼を逃がす。全ての責任を負うことで「不正義」とされ、処刑された。 |
リンツァトルテ・コンフィズリー | 聖騎士団員 | 黄泉返った父イェハルドと出会い「コンフィズリー家の不正義」の真実を知る。コンフィズリー家に伝わる聖剣と共に行方をくらませた。 |
エルベルト・アブレウ | 王政執務官 | 不正蓄財・政敵の粛清・政治の専横etc.に塗れた男。シリウス暗殺を阻止したことにより、イェルハルドを陥れ「コンフィズリー家の不正義」を作りだした張本人。アストリアと組み、国外逃亡を目論む。 |
アストリア枢機卿 | 魔種/枢機卿 | 天義銃士隊(セイクリッド・マスケティア)の主。アブレウの国外逃亡を手助け。アブレウと共に、何らかを企んでいる様子。 |
アネモネ・バードケージ | 異端審問官 | (PC)ベルナルド=ヴァレンティーノの関係者であり、異端審問官。ベアトリーチェと接触するも、彼女を不問とし、見守る様子。 |
ベアトリーチェ | 魔種 | 七罪『強欲』を司る魔種。黒衣の占い師、と称されることも。アネモネ・バードケージの異端審問に掛かるも「不問」とされた。『月光人形事件』の首謀者。 |
シナリオ『<クレール・ドゥ・リュヌ>愚か者の花束』(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/1688)より派生して起こった『コンフィズリー家の不正義』事件と酷似した事件。
ロストレイン。
――ジルド・C・ロストレインとジャンヌ・C・ロストレイン。
守護騎士と神に愛された聖女の反逆。
『反逆の聖女』は、(PC)アマリリスという名で活動していたローレットの少女です。
この事件で、ロストレイン家は没落しました。
キャラクター名 | 役職等 | 説明 |
ジャンヌ・C・ロストレイン | PC/魔種 | 『反逆の聖女』。アマリリスという名で活躍していたローレットの少女。ジルドの娘。父、ジルドからの『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』に応え、反転。魔種と化した。 |
ジルド・C・ロストレイン | 魔種 | 天義のとある守護騎士団の、5代目の守護騎士長。アマリリスの父。シリウス=アークライトと共闘していた実績もある。アマリリスが聖女として村(ジルドの故郷)に担ぎ上げられた頃に、突如ジルドは変貌。村を破滅へ追い遣った。何故ジルドがそのような行動に出たのかは不明。ただ一言。「全てを神に捧げてきたのに、娘さえもこの俺から奪うというのか」という言葉を残した。(出典元:ギルド・ローレットの『資料庫』より。) |