「魔種を新人類と呼ぶ――それがどれ程に烏滸がましい事であるか。
……この白き都を襲うこの現状を見ても言えるものか。こんなの、災害と呼ばずに何というのでしょう……」
「そんな混迷する世界で、たった一つ綺羅星の如く! 現れる! 推し――姫愛姫ちゃん!
アイドルは誰かの心の支えになるもんなんだよ。こんな状況だからこそ、姫愛姫ちゃんの笑顔が世界を救うんだ!」
「心の支え――ね。クソみたいな騙り部野郎の詭弁に騙されてる奴らもいる。胸糞悪いことだって『こんなご時世』となりゃ山ほどある。
ここで、俺達がイイコに寝てちゃ誰も守れやしないんだ」
「そう! 野戦病院にだって困ってる人たちは沢山いるのさっ! その為の幽霊なんだ、『必殺』だけは勘弁ね!!
全力で護るために、攻撃を受けて受けて受け続けてあげるからさっ!」
「うむ! 天義を救うため――救う……いや? あ、あれはなんじゃ? わらわの目が可笑しく……いいや、そんなことはなかったのじゃ!
わらわ達は相手がアルパカタンクであろうとも全力で戦い続ける! それに違いはないのじゃから!」
「アルパカ? HAHAHA! 強敵との決着は心が躍るぜ!
魔種ヤロウ……あいつは確かに強かった! しかし、俺達の勝利を此処に宣言するぜ!」
「うんうん、確かに強敵だったよ……!
ボクは皆の笑顔を守りたい。聖職者とか癒やし手の人もきっと、そういう人が多いと思うんだ。だから、頑張れる――!」
「ええ――わたくし共は、芽吹き、花開き、そして枯れる。命の理より食み出すものを赦さない。
……後、もう少し。この昏き夜をどうぞ、どうぞ、無事に終わらせてくださいませ」