「聞いたか、イルナス」
「どの話かは分からないけど……多分聞いてるわよ」
「話が早いな。だが、一応確認しておこう。例のクソ共――ジャスティーン・クラブの話だよ」
「……ああ。貴方(ディルク)が始末すると言っていた」
「そう、そのジャスティーン・クラブだが。あの――レオンの所の救世主サマ達が片付けてくれたらしい」
「旧交は温めておくものね。手間が省けたじゃない。
ローレットは幻想のギルドよね。ああ、貴方が何を言いたいか何となく分かってきたわ」
「当ててみなよ」
「『砂蠍』のキング・スコルピオが幻想に侵入したって噂があるわね。
つまり、自動的に、必然的に彼等がキングの対戦相手になるんじゃないかと思ってる」
「ご名答。幻想は上得意だが貴族主義だ。国と国の関係になると『赤犬』も始末をつけにくいんでね。
例の『サーカス』だっけ? 唯でさえ混乱している所に……
ま、彼等には災難だが一つお手並みを拝見しようという話にもなる」
「……自分達の失敗でしょうに」
「何、タダとは言わねぇよ。連中が上手い仕事をしたら、こっちにだって考えがある。
傭兵ってのは信義則が大切だ。契約が無くとも、そういう使える連中とは仲良くしたいもんだからな!」
※ラサ上層部にローレットの活躍が伝わっているようです。
え、イワシの騎士? なんですか? それ???