「昨日の公演、驚いたな」
「ああ、流石有名なサーカス団だ。あんなに凄いの見たの人生で初めてだったよ」
「何でも、今回は今までに類を見ない長期公演だそうだぞ。王様も大喜びだ」
「珍しいな。シルク・ド・マントゥールは一箇所に留まらない事で有名なのに」
「余程支払いが良かったのかな? 王様が褒美を出したとか」
「だとしたら税金を少しは安くして貰いたいもんだよ」
「……やれやれだな。ああ、そう言えば」
「どうした?」
「昨晩、表通りで殺人事件があったみたいだぞ。酔っ払いが暴れた所から大事になっちまったみたいだが」
「サーカスに浮かれるのもいいが、程々にして貰いたいもんだよなあ」