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FarbeReise

 ラサ――その砂漠地帯には無数の遺跡が存在している。
 例えば、深き森より逃げ果せた⼄⼥カノン・フル・フォーレやその信奉者達が聖地とした遺跡。
 例えば、錬⾦術が⾏われていた狭苦しいアカデミアと呼ばれた⼩さな遺跡。
 歴史を紐解くヒントになると研究する者は数多く、此処――『FarbeReise(ファルベライズ)』も同様に学者達の調査が盛んに⾏われていた。
「ファルベライズ――っすか」
 そう、呟いたのはリヴィエール・ルメス(p3n000038)であった。⼤きく頷いたのはリヴィエールと同じ移動する少数部族である『パサジール・ルメス』の商⼈、レーヴェン・ルメスである。
「そう。此処、ファルベライズは御伽噺があってね。リヴィも聞いたことはないかい?」
「ありますよ。けど、それがここだって⾔うなら……」
 ――それは余りに運命の悪戯が過ぎる、と少⼥は⼝にした。

 2つの宝⽟――⼀⽅はレーヴェン率いる隊が、もう⼀⽅はリヴィエールが率いる隊が⼿にして探索を⾏った『⼆重構造』の遺跡の外郭部位。学者陣営だけでは難航した探索も特異運命座標の協⼒のお陰で⼀歩前進したようだ。
 外郭より内郭へ進んだその場所には宝⽟や宝⽯、様々な形のマジックアイテムが落ちていた。⼀つ⼀つを眺めるリヴィエールはつん、と躓き勢いよく転ぶ。ぶえ、と潰れた悲鳴を上げる彼⼥の傍へと学者達と話していたレーヴェンは慌てたように駆け寄った。
「あ。リヴィ、怪我を」


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