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Autumn color

 それは混沌中で何が起こっていたとて変わらぬ、緩やかで確実な世界の変化。葉が色づき、鮮やかな季節がやってきた。
 今年も今年で、貴族たちはどんな催し物をしようかと考える。

 食べる? 読む? 遊ぶ? 走る?

 出来る事は沢山あって、やりたいことも沢山ある。去年と同じ内容でも、さらに一捻り加えても良いだろう。
 けれどそれだけじゃ面白くない。「また同じことをしている」と言われたくない。
 そこへ、誰が言ったのか。

 ──そうだ、皆で色を纏えばいいじゃないか!

●ぴよ!

「と、言うわけで! 混沌各地で催し物があることをご存知ですかっ!」
 ばさばさっ、と翼をはためかせて飛び跳ねるひよこがいる。獣種のため飛ぶことはできないが、ジャンプの一助になって──いるのだろうか。
 いや、問題はそこではない。ブラウ(p3n000090)が飛び跳ねていることではなく、彼の言葉の内容が大事なのである。
「去年もあったみたいなんですけど、僕はよく知らなくて。去年は数日間に分けてご案内を始めていたみたいで、今年も例に漏れず、というやつです。なので内容はローレットで確認してくださいね!」
 あちらにいる情報屋の方たちですよ、と嘴で示すブラウ。不意にその真ん丸な黒目をぱちくりと瞬かせた。

「ぴよーーー!!!! 待って待って!! 伝え忘れがありました!!!」

 ばっさばっさと翼を広げて声を上げるブラウ。やはりというか当然というか、飛べない。
 なんだなんだと戻ってくるイレギュラーズにブラウは少なからずホッとして、「あのですね、」と口を開いた。
「今回は去年と違って、参加のためのお約束があるんです。もしかしたら情報屋の皆さんに改めて言われるかもしれませんし、もう聞いた方もいるかもしれませんが……
 『今年は必ず、その催し物で指定された色を纏うこと』
 ……というのがお約束です! 体毛とか髪の毛の色でも大丈夫です!」
 例えばブラウが黄色指定の催し物に身1つで参加しても問題はない。敢えて黄色のリボンなどをつけても、やはり問題ないのである。
 今度こそ忘れていることはないはず、とブラウは頭の中で確認して、うんうんと頷いて。

「──それでは皆さん、いってらっしゃい!」


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