#author("2020-07-01T11:07:11+09:00","","")
*TOPログ [#xb775ae4]
#author("2020-07-01T11:14:17+09:00","","")

**ファイア! [#s61530a9]
 絶望の青。その最奥の海域。
 フェデリアの嵐に凪ぎは未だ訪れない。
 海洋王国、鉄帝国、そしてイレギュラーズの連合艦隊は、島ほどもある滅海竜リヴァイアサンを囲み、止むことの無い猛攻を繰り返していた。身じろぎ一つで軍艦すら転覆せしめる程の暴威は、されど鱗が砕け、血肉は弾け、驚異的な生命が蝕まれているように見える。
 ここへ至るまでに様々な物語が存在したが、今はまだ語るまい。
 なにせリヴァイアサンと共に冠位魔種アルバニアとは未だ健在なのだ。
 悪夢のような状況の根底は変わっていない。それでも未だ戦い続けられているという事実そのものが、イレギュラーズが幾重にも紡ぎ上げた奇跡を証明している。そのだけで十分であろう。

 そんな海域の一角で。
 海洋王国軍人の『赫嵐』ファクル・シャルラハ艦長は、付近の『まだ戦える』船舶を再編して、リヴァイアサンに一斉射撃を加えようとしている。
 作戦の邪魔になったのは、未だこの海域で暴れ回る狂王種(ブルータイラント)であった。
 そこでファクルは転戦を続けるイレギュラーズへ、手当たり次第の討伐を依頼したのである。
「あんのデカブツを殴るついでに、どうか頼んだぜ。イレギュラーズ!」
 迫り来る狂王種の群れを前に、ファクルは大きく舵を切った。
 避けきれないのは。一体。いや二体か。
「なら私が――!」
 羽住・利一(p3p007934)がブリッジを飛び降りた。
 親指を弾くように放たれた因果を歪める力、その残滓が狂王種に高波をもたらす。
 甲板を襲う筈だった怪物の身が衝角に突き刺さる。
「張り切っていこー☆」
 可愛らしく袖を振ったカナメ(p3p007960)は腰を落として対極の二刀を抜き放ち――斬撃。
 俄に表情を消したカナメが描いた軌跡は二つ、傷痕は一つ。一撃で断ち、次に蝕む。
「これがネアンデルタール魂だよ! ね、デルさん!」
 甲板を駆ける長谷部 朋子(p3p008321)が、その暴虐を両手に握りしめる。
 大上段から襲う巌は暴風と共に怪物をたたき割り、海へ巨大な水柱が吹き上げた。

「数が多いぜ、どれだけやれる?」
「なら全部片付けちゃえばいいんでしょ」
「そうだね、行こう!」
 波濤に揺れる船を、美咲・マクスウェル(p3p005192)とヒィロ=エヒト(p3p002503)は軽快な足取りで駆けてゆく。
「ここは一歩も通さない! ボクが相手だよ!」
 剣を抜き放ったヒィロに襲い来る怪物の群れ。
 並び立つ美咲の煌めく眼光に宿るは虹の狭間に宿る闇は――純然の殺意。
 見敵必殺の視線Alexander's dark bandが怪物をただの一撃で葬り去った。
「当然! 私が――私達が『希望』だ!」
 ソロア・ズヌシェカ(p3p008060)が指揮棒を掲げる度に、船上を覆う温かな光が、傷ついたクルーを、イレギュラーズを癒やして往く。
「さあ、Step on it!! やりましょう!」
 燃え立つ心を巨大なナイフに変えて。
 騎兵隊の仲間立ちと共に嵐を切り裂く希望――ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)が恋の炎を滾らせる。
 ウィズィは廃滅の海を進撃する衝角に立ち、躍りかかる怪物を斬り伏せた。

 ブリッジで腕を組むシャルラハ艦長の視線の先で、大戦斧が豪雨を切り裂いた。
「まるで歯ごたえがないじゃないか!」
 迫り来る狂王種を勝ち気な瞳で射抜き、巨体を寸断したリズリー・クレイグ(p3p008130)が胸を張る。
 瞳を閉じて。耳を澄ませて。
 海域に満ちる悪意と、絶望と、戦いの音色の中で。今なにが出来るのか。
 ポムグラニット(p3p007218)の術式――薔薇と腐敗の死滅結界が狂王種の群れを蝕む。
 海から跳ねた巨大な怪物の顎が、鬼怒川・辰巳(p3p008308)の美しい相貌に食らい付く――刹那。
「怪物が、いい度胸じゃん」
 炎を纏った拳が怪物の鼻先を強かにへし折った。
「余である! さあなぎ払ってくれよう!」
 轟く絶望の雷鳴さえ、フーリエ=ゼノバルディア(p3p008339)の――可愛らしくも見える――威容を傷つけることは出来ない。超☆魔王剣――溢れる魔王オーラを一点集中させた手刀が怪物共を切り裂いてゆく。

 美しくも可憐な、そして大きなその身を荘厳な黒の甲冑に覆い、破壊の翼がやってきた。
「打ち倒すわ。それだけよ」
 高波に跳ねたボートを蹴り、コレット・ロンバルド(p3p001192)は襲いかかる怪物へ両足を叩き付けて吹き飛ばす。
「――次ね」
 着地。僅かに沈み込んだボートへ殺到する怪物を、コレットは大剣アナァイアレィシャンの一閃でなぎ払う。
「首♪ 首がたっくさん♪」
 いかなる敵数も、戦場を舞う斬姫――紅迅 斬華(p3p008460)の前には、ただの首級に過ぎない。
 無形の一太刀が閃く度に、怪物共の首が舞った。

「すげえもんだぜ、なあ、おい!」
 ブリッジから身を乗り出したファクルが、ついぞ感嘆を発したのも無理からぬ。
 リヴァイアサン、冠位アルバニアと交戦しながらも転戦を続けるイレギュラーズは優に四百を越えている。 フェデリア海域に巣くう狂王種は――少なくともリヴァイアサンと交戦する戦域において――今やその殆どが撃滅の憂き目にあっていた。
「予想以上なんてもんじゃねえ。これなら行ける……ってかよ。行けなきゃ嘘だぜ! おい、野郎共!」

 ――アイアイサー!

 砲撃開始だ!

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''※『斉射三連! 絶望を貫け!』の結果で、リヴァイアサンの各部位に17%のダメージが入りました。''
 ''内訳は、総挑戦回数5676回((勝利数560+スキップ数5097)/1000×3=17)です。''


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