#author("2020-10-31T21:48:49+09:00","","") *[[TOPログ]] [#ve40d9ed] #author("2021-03-21T18:17:44+09:00","","") **<一件落着> [#oe928c1c] 一連の蠍事件の――或る意味での決算。魔種との戦いは熾烈を極めた。 イレギュラーズの活躍を以て、アルダハ遺跡に落ち延びた蠍残党は駆逐された。 戦いの事等知らぬ、存ぜぬ。まるで何事もなかった様に、砂漠には冬の日差しが降り注いでいた。 戦場は別れが伴う。しかし、残ったのは悲しみだけではない、心の救済がそこにはあった筈。 イレギュラーズは一抹の寂寥と誇りを胸に――アルダハ遺跡を後にする。 「よう! イレギュラーズ。ご苦労さん。まぁ、俺様程じゃないが、お前等もやるじゃねぇか!」 やがて辿り着いたラサでは、ハウザー達がイレギュラーズを労うだろう。 疲れた体に曖昧な笑みを貼り付け――まぁ、まずは、『癒やし』を一杯。 祝杯をあげようではないか。 イレギュラーズは間違いなく、そう。間違いなくやり遂げたのだから。 次の冒険へと繋がる一歩を、絡みつく蛇のような運命を断ち切る一打を。 「乾杯!」 どうせ嫌だと言っても付き合わせる連中に決まっている。 何より連中の顔が「話を聞かせろ」と物語っているではないか。 嗚呼、嗚呼。それならば――毒を喰らわば皿までだ。 お釣りが来る程に、どれだけ大変だったか聞かせてやろう。精々、傭兵も感謝したまえ。 今日ばかりは一休み、きっとこんな時間も悪くはなかろう。 ※新生砂蠍の残党が壊滅し、ラサで小さな祝勝会が行われたようです。